令和7年分の民間給与実態統計調査を読む―平均給与は487万円、源泉徴収された所得税額は17.4%増

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最終更新日:2026年10月19日

「世間の平均給与は、いくらなのだろう」。年末が近づくと、ご自身の年収を振り返りながら、こんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

その代表的な公的データが、国税庁の民間給与実態統計調査です。令和8年9月に、令和7年分の結果が公表されました。この記事では、税理士の視点で、主な数字と読み方の注意点を整理します。

結論:平均給与は487万円、源泉徴収された所得税額は前年比17.4%増

国税庁の公表資料から、押さえておきたいポイントは次の3つです。

  • 1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円で、前年(478万円)より1.9%(9.1万円)増えました。
  • 男性は597万円、女性は342万円で、正社員(正職員)は559万円、正社員以外は210万円でした。
  • 源泉徴収された所得税額は13兆1,262億円で、前年比17.4%増でした。

なお、これらは「平均」の数字です。ご自身の年収の良し悪しを判断する物差しにする場合は、後半の「読み方の注意点」もあわせてご覧ください。

民間給与実態統計調査とは

民間給与実態統計調査は、民間の事業所に勤める給与所得者の給与の実態を、給与階級別や事業所規模別などに明らかにする統計調査です。統計法に基づく基幹統計で、租税収入の見積りや税務行政の基礎資料として使われています。

全数調査ではなく、サンプル調査です。母集団の事業所数346万1,171所に対し、標本事業所数は2万7,420所(回答は2万771所)、標本給与所得者数は30万6,242人でした。標本の値に抽出率の逆数を乗じて、全体を推計しています。

給与所得者全体の数字(令和7年12月31日現在)

項目令和6年分令和7年分前年比
給与所得者数6,077万人6,080万人0.0%増(2万人増)
給与総額241兆4,388億円247兆6,479億円2.6%増
源泉徴収された所得税額11兆1,834億円13兆1,262億円17.4%増
給与総額に占める税額の割合4.63%5.30%―

給与所得者の数はほぼ横ばいで、給与総額は2.6%増えました。一方で、税額は17.4%増と、給与総額の伸びを大きく上回っています。

1年を通じて勤務した人の平均給与は487万円

ここからは、1年を通じて勤務した給与所得者(5,163万人)の数字です。年の途中で入退社した方を除くため、「年収の目安」として見やすいデータです。

平均給与の令和6年分と令和7年分を全体・男女・正社員別に比べた棒グラフ
区分令和6年分令和7年分伸び率
平均給与(全体)478万円487万円1.9%
男性587万円597万円1.7%
女性333万円342万円2.6%
正社員(正職員)545万円559万円2.6%
正社員以外206万円210万円1.6%

平均給与は、平均給料・手当(412万円)と平均賞与(75万円)に分かれます。令和7年分の平均給料・手当は前年比2.2%増、平均賞与は0.4%増でした。

人数の面では、正社員(正職員)が3,422万人で前年より8万人減り、正社員以外は1,305万人で49万人(3.9%)増えています。正社員以外は、全体のおよそ4分の1を占める計算です。

Q. 平均給与の487万円は、「普通の年収」と考えてよいですか?

A. 目安にはなりますが、そのまま「普通」とは言えません。平均値は、年収の高い人に引っ張られやすい指標です。公表資料では、給与階級別の最多層は、男性が「400万円超500万円以下」(487万人、構成比16.6%)、女性が「200万円超300万円以下」(417万人、同18.7%)でした。平均と最も多い層は一致しませんので、ご自身の属性に近いデータとあわせて見てみましょう。

業種別の平均給与:最大で約3倍の開きも

業種別に見ると、平均給与には大きな差があります。最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の854万円、次いで金融業・保険業の726万円、情報通信業の682万円でした。反対に、最も低いのは宿泊業・飲食サービス業の276万円です。

令和7年分の業種別平均給与を高い順に並べた横棒グラフ

図のとおり、業種平均(486.6万円)を上回るのは、電気・ガス・熱供給・水道業から複合サービス事業までの上位8業種です。前年からの伸び率では、農林水産・鉱業が13.2%増と目立つ一方、医療・福祉は1.2%減、運輸業・郵便業は1.0%減でした。

平均賞与も業種で差があり、最も高いのは金融業・保険業の173万円、最も低いのは宿泊業・飲食サービス業の17万円です。

源泉所得税が17.4%増えたのはなぜ?公表資料から言えること

今回、もっとも目を引くのが税額の伸びです。給与総額が2.6%増にとどまる中、源泉徴収された所得税額は17.4%増の13兆1,262億円になりました。

1年を通じて勤務した給与所得者で見ると、源泉徴収により所得税を納めた人(納税者)は4,175万人で、前年の3,753万人から422万人(11.2%)増えました。納税者の割合は73.1%から80.9%へと、7.8ポイント上がっています。税額は12兆9,141億円で、17.0%増でした。

私が確認した範囲では、国税庁の公表資料に、この増減の理由を説明する記述はありません。そのため、背景について断定的なことは言えません。数字としては「納税者の数・割合・税額がそろって増えた」という事実を、そのまま押さえておくのがよいでしょう。

参考までに、年末調整を行った人は4,744万人(0.5%増)でした。そのうち、配偶者控除または扶養控除の適用を受けた人は1,122万人で、前年より4.5%減っています。

この統計を見るときの注意点

  • 民間の事業所の給与所得者が対象です。個人事業主やフリーランスの所得は含まれません。
  • 平均値であって、中央値ではありません。金額が大きい人の影響を受けます。
  • サンプル調査の推計値です。標準誤差率は、所得者数で0.84%、給与で1.24%、税額で1.81%と公表されています。
  • 年の途中で入退社した人を含む「全体」の数字と、1年を通じて勤務した人の数字は、区分が異なります。

ご自身の給与と比べるときは、1年を通じて勤務した人の数字を使い、性別・雇用形態・業種が近い区分を見るのがおすすめです。

給与所得者の方が、このあと意識したいこと

給与所得者の税金は、年末調整で一年分の精算が行われます。今年の変更点は令和8年分の年末調整の変更点で整理していますので、書類を書く前に確認してみてください。

給与を考えるうえでは、働き方の見直しも関わってきます。パート・アルバイトの方は「130万円の壁」の認定基準変更を、時給で働く方や事業主の方は令和8年10月からの最低賃金の引上げもあわせて確認しておくと安心です。

免責事項・法令等について

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断を行うものではありません。ご自身の状況に応じた判断が必要な場合は、税理士等の専門家にご相談ください。

本記事の内容は、2026年10月19日時点で施行されている法令等に基づいて作成しています。今後の税制改正等により内容が変更される場合があります。

出典

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