「国民年金保険料の控除証明書、まだ届いていないけど大丈夫?」――毎年10月から11月にかけて、こうした声が増えますね。日本年金機構は2026年9月24日、令和8年分の国民年金保険料に関する控除証明書について、2026年10月中旬から発送を開始すると発表しました。この記事では、発送スケジュールの詳細、マイナポータルを使った電子データでの受け取り方、そして年末調整・確定申告での使い方までをまとめて解説します。
国民年金保険料の控除証明書とは
国民年金保険料は、支払った全額が社会保険料控除の対象になります。年末調整や確定申告でこの控除を受けるには、原則として保険料を納めたことを証明する「控除証明書」(または領収証書)を提出書類に添付、あるいは提示する必要があります。この証明書を発行しているのが日本年金機構です。
なお、厚生年金保険料や各種共済組合の掛金については、勤務先が控除額を計算して市区町村や税務署に届け出る仕組みのため、日本年金機構が控除証明書を発行することはありません。今回の控除証明書は、あくまで国民年金保険料(国民年金第1号被保険者としての納付分など)が対象です。
Q. 会社員で厚生年金に加入しているのに、なぜ国民年金の控除証明書が届くことがあるのですか?
A. 転職や退職などで年の途中に国民年金第1号被保険者の期間があり、その間に国民年金保険料を一度でも納付していれば、たとえ現在は厚生年金に加入していても、その納付実績に応じて日本年金機構から控除証明書が送付されます。年の途中で就職・転職をした方は特に見落としやすいので、郵便物やマイナポータルの通知を確認しておきましょう。
発送スケジュール(令和8年分)
発送時期は、保険料を納付した時期によって2つのグループに分かれます。電子データと書面(郵送)とで届くタイミングが異なる点にも注意しましょう。

| 納付した期間 | 電子データ(マイナポータル) | 書面(郵送) |
|---|---|---|
| 令和8年1月~9月に納付 | 令和8年10月中旬~10月下旬に順次 | 令和8年10月下旬~11月上旬に順次 |
| 令和8年10月~12月に納付(上記を除く) | 令和9年1月下旬から順次 | 令和9年2月上旬 |
電子データを受け取る設定をしている方には、書面は郵送されません。11月に入っても証明書が見当たらない場合は、まずマイナポータルの通知を確認し、それでも見つからないときは日本年金機構の年金事務所や「ねんきん加入者ダイヤル」に相談するとよいでしょう。
マイナポータルで電子データを受け取るには
控除証明書の電子データは、マイナポータルの「もっとつながる」機能などを通じて、日本年金機構から電子送付サービスで受け取る仕組みです。受け取った電子データは、国税庁のe-Taxによる確定申告でそのまま利用でき、控除額の入力を省略できるのが大きなメリットです。
- マイナンバーカードとマイナポータルの利用登録が必要です
- 一度電子データでの受け取りを選択すると、以降は書面が郵送されなくなります
- 年末調整で勤務先に提出する場合は、電子データを印刷するか、勤務先が指定する方法(年調ソフトへの取り込みなど)に従いましょう
年末調整の手続き自体をマイナポータル連携で電子化する方法については、以下の記事も参考にしてください。
令和9年1月以降、添付書類が簡素化される
これまで国民年金保険料や国民年金基金の掛金について社会保険料控除を受けるには、控除証明書そのもの(原本や電磁的記録印刷書面)を確定申告書や年末調整の保険料控除申告書に添付・提示する必要がありました。
これが、令和9年1月1日以後に令和8年分以降の確定申告書を提出する場合には、一定の事項を記載した「明細書」の添付で、証明書そのものの添付に代えることができるようになります。証明書の原本を紛失してしまった場合でも、必要事項さえ正確に把握できていれば申告できる余地が広がる、実務上ありがたい見直しといえますね。

ただし、年末調整で勤務先に提出する保険料控除申告書については、勤務先ごとの運用が異なる場合があります。明細書の記載だけで済ませてよいかは、必ず勤務先の経理担当者に確認してから対応しましょう。
年末調整・確定申告での使い方
会社員の方は、勤務先から配布される「給与所得者の保険料控除申告書」に、国民年金保険料として納めた金額を記入し、控除証明書(または上記の明細書)を添えて勤務先に提出します。個人事業主や年末調整の対象とならない方は、確定申告書の「社会保険料控除」欄に金額を記入し、同様に証明書類を添付します。
e-Taxでマイナポータル連携を利用して確定申告する場合は、電子データとして受け取った控除証明書の内容が自動的に申告書に反映されるため、入力の手間や記入ミスを大きく減らせます。令和8年分の確定申告に向けて、早めにマイナポータルの連携設定を済ませておくとよいでしょう。
Q. 控除証明書を紛失してしまいました。再発行はできますか?
A. 日本年金機構では、ねんきんネットのサービスや年金事務所の窓口を通じて再交付の相談を受け付けています。具体的な再発行手続きの方法は時期によって案内が変わることがあるため、まずは日本年金機構のウェブサイトまたは「ねんきん加入者ダイヤル」で最新の手続き方法を確認することをおすすめします。
まとめ
令和8年分の国民年金保険料の控除証明書は、2026年10月中旬から電子データ・書面の順に発送が始まります。マイナポータルで電子データを受け取る設定をしておけば、確定申告の入力も自動化でき手間を減らせます。また、令和9年1月以後の申告からは、証明書の添付が明細書の記載で代替できるようになる点も、覚えておきたいポイントです。ご自身の納付状況と照らし合わせて、年末調整や確定申告の準備を早めに進めましょう。
※個別の税務相談については、お近くの税理士または税務署にご相談ください。
本記事の内容は、2026年10月8日時点で施行されている法令等に基づいて作成しています。今後の税制改正等により内容が変更される場合があります。

