毎年10月は地域別最低賃金が改定される時期ですが、令和8年度は全国加重平均で1,176円という目安が中央最低賃金審議会から示され、各都道府県で10月以降、順次新しい最低賃金が発効していきます。パート・アルバイトを雇用する個人事業主・中小企業にとっては、給与計算や人員配置に直結する重要な改定です。本記事では、厚生労働省の公表資料をもとに改定の概要と、事業主が確認すべきポイントを整理します。
令和8年度の最低賃金改定、全国加重平均は1,176円
厚生労働省が公表した「令和8年度地域別最低賃金額改定の目安」によると、目安どおりに引き上げが行われた場合、全国加重平均は1,176円となります。引き上げ額は55円(前年度は66円)、引き上げ率は4.9%(前年度は6.3%)で、前年度と比べると上昇幅はやや縮小しています。

中央最低賃金審議会は、地域の経済実態に応じて都道府県をA・B・Cの3ランクに分類し、Aランク(6都府県)は54円、Bランク(28道府県)とCランク(13県)はいずれも56円の引き上げ目安を示しました。この目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会が審議・答申を行い、最終的に都道府県労働局長が地域別最低賃金額を決定する流れになっています。そのため、実際の改定額や発効日は都道府県ごとに異なります。
Q. 自社の都道府県の最低賃金はいつからいくらになりますか?
A. 発効日は都道府県ごとに異なり、例年10月1日から12月上旬にかけて順次適用されます。目安を上回る改定額となった地域もあるため、必ず自社が所在する都道府県労働局や厚生労働省の発表で最新の確定額・発効日を確認してください。
事業主が今確認すべきこと
最低賃金の引き上げは、パート・アルバイトを雇用している個人事業主・中小企業にとって人件費に直結します。次の3点を早めに確認しておきましょう。

特に、日給制・月給制で雇用しているパート社員については、時給換算した金額が新しい最低賃金を下回っていないか、見落としがちなポイントです。所定労働時間や諸手当の扱いによって時給換算額が変わるため、給与計算ソフトの設定とあわせて確認することをおすすめします。
Q. 最低賃金の引き上げと「106万円の壁」撤廃は関係ありますか?
A. 直接の制度としては別物ですが、実務上は密接に関わってきます。時給が上がれば同じ労働時間でも年収が増えやすくなるため、社会保険の加入基準の見直し(106万円の壁撤廃など)とあわせて、パート従業員の労働時間や働き方を見直すきっかけになる事業主が多いと考えられます。最低賃金の確認と合わせて、社会保険の加入基準の変更点も再確認しておくとよいでしょう。
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まとめ
令和8年度の最低賃金は全国加重平均1,176円への引き上げが目安として示され、10月以降、都道府県ごとに順次発効していきます。パート・アルバイトを雇用する事業主は、自社の都道府県の確定額・発効日を確認し、時給換算額の見直しや社会保険の加入基準とあわせた働き方の整理を進めておきましょう。
本記事の内容は、2026年10月3日時点で施行されている法令等に基づいて作成しています。今後の税制改正等により内容が変更される場合があります。

