年末調整はマイナポータル連携で電子化―今のうちに済ませたい事前準備4ステップ

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年末調整の時期が近づくと、毎年のように保険会社から届く「控除証明書」のハガキやメールを探し回っていませんか。実はここ数年、国税庁はマイナポータル連携を使って、この控除証明書のデータを年末調整の申告書に自動で取り込める仕組みを整備してきました。ただし、この連携は登録してすぐ使えるわけではなく、事前準備に数日かかることがあります。年末調整の実務が本格化する前の今のうちに、準備を済ませておきましょう。

今回は、マイナポータル連携で年末調整がどう楽になるのか、具体的な準備の手順を国税庁の資料をもとに整理します。

マイナポータル連携でできること

マイナポータル連携とは、生命保険会社や金融機関が発行する控除証明書等のデータを、マイナポータル経由で取得し、年末調整の控除申告書に自動入力できる仕組みです。国税庁は、この連携に対応した「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」を無償で提供しており、対応した勤務先であれば、証明書の内容を手入力する手間を省けます。

マイナポータル連携で自動入力できる控除証明書の一覧(生命保険料控除・地震保険料控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・住宅借入金等年末残高証明書)

Q. どの控除証明書が対象になりますか?

A. 生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、社会保険料控除証明書(国民年金保険料・国民年金基金掛金)、小規模企業共済等掛金控除証明書(iDeCoを含む)、住宅借入金等年末残高証明書が主な対象です。ただし、発行元の保険会社・金融機関がマイナポータル連携に対応している必要があるため、すべての契約先が対象になるとは限りません。契約している保険会社等のサイトで対応状況を確認しておきましょう。

事前準備は4ステップ、数日かかることも

マイナポータル連携で控除証明書データを取得するには、次の4つのステップを踏む必要があります。国税庁の資料でも「これらの手順を実施してから、控除証明書等データが取得できるようになるまで数日を要する場合がある」と案内されています。年末調整の書類提出期限に間に合わせるためにも、余裕をもって準備を始めることが大切です。

マイナポータル連携 事前準備の4ステップ(利用者登録、民間送達サービス開設、保険会社等との連携、データ到着後の年調ソフトへの取込)
  1. マイナポータルで利用者登録:マイナンバーカードと、利用者証明用(4桁)・署名用(6〜16文字)の暗証番号を用意します。読み取りにはICカードリーダライタか、対応するスマートフォンが必要です。
  2. 民間送達サービスの開設:マイナポータル内の「もっとつながる」メニューから、MyPostまたはe-私書箱といった民間送達サービスを開設します。控除証明書データはここを経由して届きます。
  3. 保険会社・金融機関等との連携:契約している保険会社等の「マイナ手続きポータル」にアクセスし、マイナンバーカードの読み取りと暗証番号の入力、証券番号など契約者情報の登録を行います。
  4. データ到着後、年調ソフトへ取込:手続きから数日後、控除証明書データが民間送達サービスに届きます。国税庁の年末調整控除申告書作成用ソフトウェアと連携すれば、自動で入力欄に反映されます。

Q. 家族の分の証明書も取得できますか?

A. 配偶者控除や扶養控除の対象となる、生計を一にする親族の分の保険料控除証明書等を取得したい場合は、その親族本人のマイナンバーカードも別途用意し、同様の手続きを行う必要があります。本人のカードだけでは家族分のデータは取得できない点に注意してください。

紙の証明書と何が変わるのか

マイナポータル連携を使っても、控除を受けられる金額や対象そのものが変わるわけではありません。あくまで、控除証明書の内容を年末調整の申告書に反映させる「入力作業」が自動化される仕組みです。紙の証明書を紛失した場合の再発行依頼や、複数の証明書を見比べながら手入力する手間が減る点が最大のメリットといえます。

一方で、勤務先が電子的な年末調整の仕組みに対応していなければ、この連携のメリットを活かせません。まずは勤務先が年末調整の電子化やマイナポータル連携に対応しているかどうかを、総務・経理担当に確認しておくとよいでしょう。

Q. 今から準備すれば今年の年末調整に間に合いますか?

A. 多くの企業では、年末調整の書類提出を11月から12月上旬にかけて求められます。マイナポータル連携の準備自体はオンラインで完結し、データ到着まで数日程度が目安とされていますが、保険会社によって対応スピードは異なります。余裕をもって、遅くとも10月中には利用者登録と各社との連携を済ませておくと安心です。

令和8年分の年末調整そのものの改正ポイント(基礎控除・給与所得控除・扶養控除の見直し)については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

令和8年分の年末調整はここが変わる—基礎控除・給与所得控除・扶養控除の改正ポイント

また、国税庁が無償提供している年末調整控除申告書作成ソフトのプロトタイプについては、以下の記事でも紹介しています。

令和8年分 年調ソフト【プロトタイプ】とは―公開時期と注意点

まとめ

マイナポータル連携を使えば、生命保険料控除や地震保険料控除、住宅ローン控除などの証明書データを年末調整の申告書に自動で取り込めます。ただし、利用者登録から民間送達サービスの開設、保険会社等との連携まで4つのステップが必要で、データ到着までに数日かかることもあります。年末調整が本格化する前の今のうちに、余裕をもって準備を進めておきましょう。

本記事の内容は、2026年9月18日時点で施行されている法令等に基づいて作成しています。今後の税制改正等により内容が変更される場合があります。個別の税務相談については、税理士にご相談ください。

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