マネーフォワード「AI Cowork」、士業向け機能を先行提供開始―月次仕訳登録をAIが支援する新機能とは

マネーフォワード「AI Cowork」士業向け機能が先行提供開始 会計・会計ソフト

株式会社マネーフォワードは2026年10月2日、クラウド型の業務支援AIエージェント「AI Cowork」について、公認会計士・税理士等の専門職(士業)向けの機能を一部ユーザーへ先行提供開始しました。現時点ではクローズドな環境での提供ですが、月次の仕訳登録業務をAIが支援する仕組みが実際にデモ公開されており、税理士業務の現場にも今後インパクトを与えそうです。本記事では、公表されている内容をもとに、AI Cowork士業向け機能の概要と、税理士の立場から見たポイントを整理します。

AI Cowork士業向け機能とは―何が先行提供されたのか

「AI Cowork」は、マネーフォワードが提供する業務支援AIエージェントで、今回新たに公認会計士・税理士等の専門職を対象とした機能が、2026年10月2日から一部ユーザーへ先行提供される形でスタートしました。現時点ではクローズドな環境での提供にとどまりますが、「士業サミット2026」ではAIによる月次仕訳登録のデモが公開されており、具体的な業務での活用イメージが示されています。

マネーフォワード「AI Cowork」士業向け機能が先行提供開始
マネーフォワード「AI Cowork」の士業向け機能が2026年10月2日から先行提供開始(公表情報をもとに作成)

Q. 具体的にAIは何をしてくれるのですか?

A. 公開されたデモでは、「月次仕訳登録」をAIが担当する様子が示されています。顧問先ごとのルール・証憑・明細データを踏まえてAIが仕訳候補を整理し、判断が必要な項目のみをユーザーに提示する仕組みです。ユーザーが確認・承認することで処理が進み、承認後にはAIが作業内容のサマリーを作成し、次回以降の精度向上に向けたルール見直し案まで提示してくれる点が特徴です。

AI Cowork士業向け機能のポイント
AI Cowork 士業向け機能のポイント(公表情報をもとに作成)

月次仕訳登録、従来とAI Coworkの違い

月次の仕訳登録は、顧問先数が多い税理士事務所ほど時間と手間のかかる定型業務のひとつです。AI Coworkの仕組みでは、判断が不要な項目についてはAIが仕訳候補を自動整理し、担当者は判断が必要な項目の確認・承認に集中できるという違いがあります。

月次仕訳登録、従来とAI Coworkの違い
月次仕訳登録、従来とAI Coworkの違い(公表情報をもとに作成)

Q. 導入のハードルは高くないのですか?

A. 自然言語での対話を通じて利用できる設計になっており、MCPサーバーの導入・保守が不要とされている点は、IT専任者がいない事務所にとっても扱いやすいポイントです。また、マネーフォワード クラウドとの標準連携も予定されており、既にマネーフォワード クラウドを利用している事務所であれば、比較的スムーズに導入を検討できそうです。なお、料金は本稿執筆時点では未定とされています。

税理士の視点―会計ソフト各社のAIエージェント活用が進む背景

今回のAI Cowork士業向け機能に限らず、会計ソフト各社は仕訳入力や記帳業務をAIで支援する機能の開発を進めています。背景には、国税庁自身も税務行政のデジタル化・AI活用を進めているという大きな流れがあります。国税庁は年末調整の電子化やマイナポータル連携、チャットボットへのAI活用など、デジタル化・AI導入の取り組みを公表しており、官民双方でAIを活用した業務効率化が進んでいる状況です。

今後は「AI Coworkからパートナー企業のAIエージェントも呼び出せるようになる」計画もあるとされており、1つのAIエージェントを起点に複数の業務支援機能を連携させる構想がうかがえます。士業の実務においては、AIに任せる範囲と、専門家の判断が必要な範囲の線引きが引き続き重要なテーマになりそうです。

まとめ

マネーフォワード「AI Cowork」の士業向け機能は、2026年10月2日から一部ユーザーへの先行提供がスタートし、月次仕訳登録をAIが支援する仕組みのデモが公開されました。現時点ではクローズドな提供段階で料金も未定ですが、会計ソフト各社でAIエージェントによる記帳支援の動きが進む中、今後の本格展開や料金体系の発表に注目しておきたいところです。

本記事の内容は、2026年10月14日時点で公表されている情報に基づいて作成しています。サービスの提供範囲・料金等は今後変更される可能性がありますので、最新情報はマネーフォワード公式サイト等でご確認ください。

出典

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