所得控除とは

所得控除とは 所得控除とは

(最終更新日:2026年10月25日)

「所得控除」という言葉は確定申告や年末調整の書類でよく目にしますが、そもそもどういう仕組みで、どんな種類があるのかを一つずつ理解している方は意外と少ないものです。所得控除は、税金の計算のもとになる所得金額から一定額を差し引くことで、実質的に税負担を軽くする制度です。この記事では所得控除の基本的な仕組みと種類を整理し、あわせて令和8年度税制改正による基礎控除・給与所得控除の見直しについても解説します。

所得控除の仕組み

所得税は、収入からさまざまな経費や控除を差し引いた「課税所得金額」に税率を掛けて計算します。所得控除は、この課税所得金額を計算する過程で所得金額から差し引かれるもので、控除額が大きいほど課税所得が小さくなり、結果として税額も少なくなります。所得控除には、社会保険料控除や生命保険料控除のように支払った金額に応じて控除されるものと、配偶者控除や扶養控除のように家族構成などの人的な事情に応じて控除されるものがあります。

所得控除の一覧

所得控除には次のような種類があります(国税庁の分類による)。

控除の種類 主な内容
雑損控除 災害・盗難・横領などで資産に損害を受けた場合
医療費控除 一定額を超える医療費を支払った場合
社会保険料控除 健康保険料・国民年金保険料などを支払った場合
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済・iDeCoなどの掛金を支払った場合
生命保険料控除 生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払った場合
地震保険料控除 地震保険料等を支払った場合
寄附金控除 ふるさと納税など一定の寄附金を支払った場合
障害者控除 本人・扶養親族等が障害者である場合
寡婦控除・ひとり親控除 寡婦・ひとり親に該当する場合
勤労学生控除 本人が勤労学生である場合
配偶者控除・配偶者特別控除 一定の所得以下の配偶者がいる場合
扶養控除・特定親族特別控除 扶養親族・特定親族がいる場合
基礎控除 すべての納税者が対象(合計所得金額に応じて逓減)

令和8年度税制改正による基礎控除の引き上げ

基礎控除は、令和7年度税制改正で本則が48万円から58万円へ引き上げられ、令和7年分は合計所得金額に応じて最大95万円となりました。さらに令和8年度税制改正で見直しが行われ、国税庁のタックスアンサー(No.1199)によると、令和8年分・令和9年分は次のとおりです(令和8年分の規定は令和8年12月1日に施行されます)。

合計所得金額 令和8年分・9年分 令和10年分以後
132万円以下 104万円 99万円
132万円超489万円以下 104万円 62万円
489万円超655万円以下 67万円 62万円
655万円超2,350万円以下 62万円 62万円
2,350万円超2,400万円以下 48万円 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円 16万円
2,500万円超 0円 0円

あわせて、給与所得控除の最低保障額も65万円から74万円に引き上げられました。これにより、給与収入が220万円未満の方(令和8年分・9年分)の給与所得の金額に影響し、低所得の方を中心に税負担が軽くなります。これらの改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。

Q. 所得控除と税額控除はどう違うのですか?

A. 所得控除は税率を掛ける前の「所得金額」から差し引くもの、税額控除は税率を掛けた後の「税額」から直接差し引くものです。同じ1万円の控除でも、税額控除のほうが軽減効果は大きくなります(住宅ローン控除などが税額控除の代表例です)。

まとめ

所得控除は種類が多く、該当するものを漏れなく申告することで税負担を適正に抑えることができます。特に令和8年分からは基礎控除・給与所得控除の見直しが入るため、年末調整や確定申告の際には最新の控除額を確認するようにしましょう。個別の控除については、当サイトの各解説記事もあわせてご覧ください。

本記事の内容は、2026年10月25日時点で施行されている法令等に基づいて作成しています。今後の税制改正等により内容が変更される場合があります。個別の税務判断については、必ず税理士等の専門家にご相談ください。

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